From Engine Room

日々のあれこれ(生存報告)
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一千一秒の日々
4838715927一千一秒の日々
島本 理生
マガジンハウス 2005-06-16

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 後書きにあるように、ひどくスローペースで、不器用な人ばかりの連作。でもその不恰好さがどれも愛しい。
 小説としてのストーリィの完成度とか、文章の上手い下手を抜きにして、この感性がたまらなく好きです。同世代だからこその共感もきっとあるけれど、それでも丁寧に描かれる世界は柔らかく穏やかで、どこかほっとします。
 ちょうど登場人物が大学生だったり、時期が夏休みにかけての話だったりしたので妙なほど感情移入してしまいました。

 そんな状況を抜きにしても、デビュー作からどんどん見せ方が上手くなっていて、独特の、ちょっと現実から乖離してるような癖がなくなってきて、現時点ではこれが一番のお薦めです。あとはリトル・バイ・リトルも結構好き。
4062116693リトル・バイ・リトル
島本 理生
講談社 2003-01-28

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重力ピエロ
4104596019重力ピエロ
伊坂 幸太郎
新潮社 2003-04

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 この本、実は「このミス」で知ったんですが(そして「このミス」ってたまに合わないんですが)あの評価は正当だった。面白かった!
 途中から伏線をちらほら見せてくるのが非常に勿体ないけど、不自然さに無理がない。何となく舞城の『煙か土か食い物』を初めて読んだときの感じを思い出しました。舞城はあの文体にインパクトがあるので設定が押されがちですが、実は設定が結構好きだったり。

 話自体も重いはずなのに、軽い。軽いのに、それでも深い。
 「春」という複雑なキャラクターが妙なほど魅力的で、不思議。
 何より会話のタッチが独特。わざとちょっと崩したようなテンポで面白いです。
 設定も恣意的なのに、予定調和のようで、ミステリとしてうまい。

 他の作品も読んでみようと思います。
海猿
B0001X9D3Q海猿 スタンダード・エディション
伊藤英明 佐藤秀峰 羽住英一郎 加藤あい
ポニーキャニオン 2005-02-16

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すべての海上保安官の中でわずか1%の人間しか到達できない海難救助のエキスパート“潜水士”。海上保安官14名が死と隣合わせでもあるこの“潜水士”を目指して、50日間に及ぶ極限の訓練に挑んでいくことになるのだが、ある哀しい事故が起きて…。
 予想以上に面白くて吃驚しました。話はベタだし演出がものすごい直球勝負、なのに単純にドラマとして面白い。設定はいかにも男くさいのに、男のロマン、と前面に押し出すでもなく、山あり谷ありを乗り越えて爽やかにまとまっていて好印象です。演出が直球の分、こっちも素直に感動できる。
 画面としてはバス内でのキスシーンが綺麗で印象に残りました。ハタチをとうに越えているはずの二人なのにホント、中学生の恋愛を見ているような気持ちになった(笑)

 ちょっと口悪い伊藤英明がまた格好よかったです。今まではちょっとなよっとした、優男っぽいイメージが強かったんですが、こういうのもいいかも。

 ドラマは録画したまままだ見てないんですが、続きが非常に楽しみです。
電車男
 観てきましたー! いやもうホント面白かった!!

 全体的にかなり小技が効いてて可笑しかったです。恋愛もののハズなのに笑いまくった。ものすごくツボだったのは2チャンネラの人達。お互い知らずに毒男板で会話してる夫婦(お茶漬けネタはどうしようかと思った!)とかすぐ戦争ごっこ妄想に入る3人組も。やや表現和らげてますが2CHネタの映像化・音声化もうまくて何度も吹き出しました。顔文字動くのも面白かったし、すっごい盛り上がるはずのシーンで背後に渦巻く「キター!」の文字と顔文字の花火なんてもう笑うしか。そんなふざけた感じの、真面目に恋愛ものにする気のない監督のセンスがよかったです(笑) 映画館結構いっぱいだったんですが皆笑ってた。

 『電車男』の山田君は演技はうまかったけどこざっぱりしちゃっててあんまりキモくなかったです。ちょっと髪伸びすぎてて服の趣味がダサいくらいで全然アキバ系じゃないよ! あのくらいだとまだ可愛さが見え隠れ。残念のような、よかったような。

 『エルメス』の中谷美紀はばっちり合ってて可愛かったー! 山田君との年齢差はちょっと気になりましたが、まあ許容範囲内かと。しかしエルメスっていい人で可愛い割に、たまーにしたたかな印象というかちょっと性格悪そうな発言しますよね……。

 最後にテレビ版キャストの二人が出てきたんですが、個人的には映画版の方がイメージ合うかなあ。そもそもエルメス視点の『電車男』はよくある普通の恋愛ものじゃないの……?
 そしてテレビ版の『電車男』はものすごいウチの学科にいそうなタイプでびっくりした……。アニメオタクって言うか理系オタクっぽい(笑)
フライ、ダディ、フライ
4062116995フライ,ダディ,フライ
金城 一紀
講談社 2003-02

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 ごめんなさい、読んだ動機は映画に岡田君が出てるからです……。でもものっそ面白かったー! 2日合計睡眠時間7時間で眠いはずの状態で夜中に一気に読みました。

鈴木一は、大手家電メーカーの子会社で経理部長をつとめるサラリーマン。学生時代に知りあった妻と、17歳になるひとり娘が唯一の自慢である。ある日、そんな鈴木のもとに、娘が何者かに殴られ入院したという知らせが入る。娘を殴った相手は、ボクシングの高校生チャンピオンで、学校では品行方正で通っているという石原。復讐を決意した鈴木は、包丁を手に石原の通う高校を目指すが……。
 主人公は冴えない中年のおっさん。ちょっとした手違いから喧嘩の強い朴舜臣に弟子入りすることになり、高校生グループの手を借りて『復習』に向かって邁進していく。
 一人の人間の成長物語であり、喪失と回復を描いているのだけれど、それだけではなくて、差別とか偏見とか、日本社会の歪みをきちんと意識して書かれている印象を受けました。ポップなのに、さらりと重い。軽すぎず、重すぎない。

 そして男の子がつるんでるのって楽しそうだな! と心底思いました。いい意味で馬鹿馬鹿しいの、大好きです。普段から学科の男を見てても思うし、そこに微妙に混ざってたりするんですけど、非常に羨ましい感じ。

 原作にはなかったんですが、映画では舜臣が
「飛べ、おっさん、飛べ!!」
 って叫んでる予告があったような……。
 そんな映画公式サイトはこちら。公開は7月9日です。観に行かなきゃ!!
格闘する者に○
4101167516格闘する者に○
三浦 しをん
新潮社 2005-03

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吾輩は女子大生である。内定先はまだない。
 とにかく語り口が渋い。そしてうまい。

 24歳の時のデビュー作だとは思えない出来でした。歳が近いはずの主人公と、作者自身との分化がきちんと出来てる。主人公の一人称なのに作者がでしゃばっていない。

 話自体には起伏があまりなくて、日常的でちょっとした事件の積み重ねでひたすら淡々と進むのに、本当に面白かった。登場人物の特殊な設定が勿体ないほどさらりと書かれていて、それを断片的に切り取るだけで物語としても面白い。そしてそのちょっと現実感のない設定と、重めの語り口が絶妙にマッチしてます。

 話自体にどうこう、というだけでなく、色々考えさせられた。こういう才能、というかセンスが自分の中にないものなので非常に羨ましいです。
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