From Engine Room

日々のあれこれ(生存報告)
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アフターダーク
4062125366アフターダーク
村上 春樹
講談社 2004-09-07

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 たとえ舞台が現代になっても、モチーフが現代的でも、村上はやっぱりどこかレトロでした。話も輪をかけてよくわからなかった、よう、な……。

 物語は『わたしたち』(=読者?)という一人称複数形の目線で淡々と進みます。真夜中から、空が明けるまで、それぞれ何かしらから逃げ続けている人々の生活を垣間見るように。
「うまくやったと思っているかもしれないね」と男が抑揚を欠いた声で告げる。
(中略)
「でもね、逃げられない。どこまで逃げても逃げられない」、暗示的な短い沈黙があり、電話は切れる。
 日々は繰り返しながら、それでもマリがエリと寄り添って眠ったように、変わらないようで少しずつ変わっていく。多分、わたしたちが、そうやって生きている、ということ。
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下妻物語
4093861129下妻物語―ヤンキーちゃんとロリータちゃん
嶽本 野ばら
小学館 2002-09

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 映画が割合評判良かったので(まだちゃんと見てないんですが)原作読んでみました。初嶽本野ばら。

 文章に癖があると聞いていたんですが、一人称だとそんなに気になるほどでもなく、むしろすいすい読めました。最初から最後まで余すところなく面白かったです。小ネタもいちいち面白くて逆に緩急がなくて辛かった(笑)
 完全なるエンターテイメント、なんですが、意外と奥が深い。結局人生観の話。個人的には、女の子の友情いいな! と素直に思えました。

 映画では桃子がイチゴを助けに行くときのオチのネタがちょっと違ったような。ふかきょんにバイク投げさせるには無理があったからかな……。こっちの方がすっと読めるけど、映画の方がインパクトはあった気がします。

 余談ですが地元図書館で続編検索したら、作者の名前が谷本野ばらになってました。ふ、普通……(笑)
グッドラック―戦闘妖精・雪風
4150306834グッドラック―戦闘妖精・雪風
神林 長平
早川書房 2001-12

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 戦闘妖精・雪風(改)の続編。
 突如、地球への侵攻を開始した未知の異星体ジャム。これに対峙すべく人類は実戦組織FAFをフェアリィ星に派遣、特殊戦第五飛行隊に所属する深井零もまた、戦術戦闘電子偵察機・雪風とともに熾烈な戦闘の日々を送っていた。
 だが、作戦行動中に被弾した雪風は、零を機外へと射出、自己のデータを最新鋭機へと転送する――もはや、人間は必要都内と判断したかのように。
(裏表紙より)
 はっきり言って話は640P読んでもほとんどさっぱり進行しません。SFとしてはあまり楽しめないと思うし、展開が冗長な感が否めない。それでも、私は前作より面白いと感じた。

 この作品ではSF的な面白さ、エンターテイメントとしての小説ではなくて、深井零という機械的なパイロットがジャムと接触し、雪風に『裏切られ』ることを通して変わることを、人間の本質的な変化や成長を書きたかったんじゃないかと。
 テーマはひどく抽象的で、哲学的なのだけれど、零以外の登場人物それぞれの人生観をジャムとの対峙を通してきっちり描いている。だからこそ、面白かった。
 仮想の設定の中で、外堀を埋めていくように、人間とは何か、と問われている気分になりました。

 小説の描写としても、他人に対し物事を提示して、かつ納得させる手段としても使える方法。まずは整理していない現象をそのままランダムに伝え、次に境界条件を与えて外枠をはっきり提示する。それから少しずつその中に与えた情報を整理していけないい。すっきり収まれば多かれ少なかれ感動するわけです。
 これも話の展開の構造がすごくはっきりしていて、収束していく過程が手に取るようにわかるのでうまいと素直に思いました。他の作品よりきちんと統制がとれているのはうまくなったのか、それとも素でこれをやっているのかちょっと判断がつかない。

 今回不覚にも感動したのはラストの零とフォス大尉の会話(ネタバレにつき要反転)
「一つ、訊きたいことがあるんだ」
「何かしら」
「おれと雪風の関係だ。雪風を他者と認めつつ、それはまた自己の一部であると意識するのは、人間にとってさほど珍しい現象ではない、人間にはそういう能力がある、と言ったな。病気などではない、と」
(中略)
「それは、その対象を愛する、ということよ」
 神林長平の中にはそういう定義があるってことで、自分の中でもすとんとわかる部分があって、何かを動かされた。そんな本でした。
読書メモ
・ラッシュライフ(伊坂幸太郎)
・新本格魔法少女りすか2(西尾維新)
・私の語り始めた彼は(三浦しをん)
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