From Engine Room

日々のあれこれ(生存報告)
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クロノス
 演劇集団キャラメルボックスクリスマスツアー『クロノス』行ってきました~。今回何と一列目ど真ん中のものすごい席! 舞台が近すぎてオープニングなんてもう何処見たらいいのかもわからない(笑)

 今回は映画『この胸いっぱいの愛を』と同じ原作『クロノス・ジョウンターの伝説』の中の一編を使った劇なんですが、もう、ものすごく面白かった……!
 最初は和彦の来美子への初恋の半端ないこだわり方がちょっとストーカーじみてて恐かったし、結局『純愛』なんだろと馬鹿にしてた。中盤からも確実にオチはみえてたんだけど、最後まで友人と二人ボロ泣きでした。確実にやってくる離別が、孤独が切なくて涙が出た。
 正直梶尾さんの話は読む気がおきるほど好きじゃなかったので斜に構えてたのに汗だらだらかいて頑張ってた菅野さんに騙された気がしないでもない。

新編クロノス・ジョウンターの伝説
梶尾 真治
4257790539

 感想にも書いたんですが昨今の『純愛』ブームって別にテーマが『愛』じゃないんじゃないのと思いました。ただ人生をかけるくらい一生懸命になることがない現代人が、そういう純粋さ一途さに対して過剰な憧憬を抱いちゃうんじゃないかと。自分に出来ないことだから、それでもしたいことだから。

 そしてキャラメル観て元気になった自分にも驚いた。この何回か「面白い!」とは思っても泣かなかったし、いつまで経っても学生演劇的な、内輪盛り上がりの要素にもちょっと食傷気味だったし、ワンパターンな『感動』を少し押しつけがましく感じていたので、久々に素直にエネルギを受け取れた気がします。演劇の臨場感がいいのはそういうコミュニケーション的要素が大きいと思う。その場の一体感って意外にインタラクティブ。

 生きていく上できっと必要な大事なものが何かを照れくさがる暇もなくがつーん! と見せられてきました。春に残りの二部もやるらしいのでそれまでに原作読もう!
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野ブタ。をプロデュース
野ブタ。をプロデュース
白岩 玄
4309016839


 第132回芥川賞候補作。ドラマになって売れてるみたいですが読んだ感じはいまいちで確かに賞には値しないかと。テーマがちょっと古い。

 舞台は教室。イジメられっ子転校生(キモチ悪いほどおどおどしたデブ)を人気者にすべく、オレはプロデューサーを買って出た! 「『セカチュウ』で泣いてる場合ではない、『野ブタ。』を読んで笑いなさい」と斉藤美奈子氏絶賛、第41回文藝賞受賞作!「大した才能だよ。期待してるぜ、白岩玄。」(高橋源一郎氏)

 設定にリアリティがないのが一番の原因だと思うんですが、序盤の入り方と野ブタのプロデュース自体はそこそこ独特で面白かったのにそこから転げ落ち方がベタでありがち。転げ落ちてからの描写から徐々にリアリティが出てくるけど、結局オチもありがちでがっかりしました。
 あと修二のキャラクタがそこまで人気者に思えない。よっぽど顔がいい設定だとは思いますが、言動が寒いので人気者、という設定が空回り感たっぷりで勿体ない。

 ドラマはだいぶ違うらしいですね。「信子」って時点で「野ブタ」じゃなくなってるのは気のせいか。ついでに彰なんて何処にもいなかった気がするんですが修二と彰って何処からきたのか謎です。でも正直ドラマみたいに『プリティウーマン』的な展開を狙った方がよっぽど面白いかと。
秘密の花園
秘密の花園
三浦しをん
4838713665

 幼い頃に受けた性的いたずらによるトラウマを抱える那由多、教師との不倫に悩む淑子、那由多にひそかな思いを寄せる翠。カトリック系女子高に通う17歳の3人の少女たちが織りなす心理&青春小説。(「MARC」データベースより)


 多感な時期の女の子独特の、繊細であやうい感じが逃げ出したいくらいリアルでした。言語化しにくい、不安定な感情をどうしてこうもうまく表現できるのか感心しつつ、他人に触れて欲しくない部分までをも一緒にさらけ出されたようで読後はものすごく複雑な心境。

 多分完全なるフィクションとして読めたら絶対うまいし、面白かったと思います。あんまり他人に勧めたくないし、勧められないけど、バックグラウンドに何処かしら引っかかる人は読めばいいと思う感じの本。

 あと『廃園の花守りは唄う』の友情と信仰の違いの話が印象的でした。以下台詞引用。

「はっきりとは言えないけど、信仰っていうのはたぶん、友情みたいな経験則じゃないでしょう。そういう段階をすっとばした何か、よ」
The MANZAI 1
The MANZAI 1
あさの あつこ
4861762537

 学校の購買で平積みされてた最後の一冊だったので反射的に購入。面白かったです。

 過去の事件から「フツウ」であろうとする主人公・歩はサッカー部の筋肉少年・秋本に「つきおうてくれ!」と一世一代の告白をされます。漫才の相方になって欲しいと、「俺にとってお前は特別なんや」とひたむきに訴える秋本の言葉に最初は戸惑い、苛つきながらも、自分にとって大事なものが何かを思い出し、文化祭で漫才「ロミオとジュリエット」をやることに。その顛末を描いた第一巻の文庫版。

 あさのさんの独特な少年描写はほんとうにいいです。大好き。巻末の対談で重松清があさのあつこの目線を「叔母の目線」といっているのですが、それに素直に納得しました。親の目線からでも同じ目線からでもなく、それでいて見下すでも特別視するわけでもない、どこか愛おしく、見守るような目線。

 勿論女の人が書いている以上リアリティには欠けるところもあるんだけど、中高生向けの本としては勿体ないくらいの話でした。
バッテリー VI
バッテリー〈6)
あさの あつこ
4774606367

 バッテリー最終巻。このシリーズは本当に、児童書にしておくには勿体ない!

 き裂を完全に修復できないまでもやっていこうとする二人の様子だとか、「お前がキャッチャーじゃなくてもいい」と精一杯伝える巧や、門脇への複雑な心境に苦しむ瑞垣を、本当はもっと見ていたかった。

 言葉にできないもどかしさをめいっぱい詰め込んである本で、読んでいるこっちも一緒にじれったかったり苦しかったりする。まるで成長途中の少年達の生活そのものを覗いているような話でした。感動も共感も表現としては足りない気がします。終わってしまうことが寂しいというのが一番近い気持ちかも。

 ありきたりな感想ですがほんっとうに面白かった。さらっとは読めない、どすっと腹にくる感じの話ですが、中高生片っ端から捕まえて読ませたいです。しかし現役高校生の妹さんは「お姉ちゃんの読む本は難しい」と読んでくれない。読まない方が勿体ないと思うんだけどなー。
凶刃―用心棒日月抄
凶刃―用心棒日月抄
藤沢 周平
4101247226

 用心棒日月抄シリーズ第四作。シリーズ初の長編。なんと前作『刺客』から十六年の月日が流れていて、もう主人公青江又八郎も佐知も四十を超え、由亀ももうすぐ四十で三児の母になっています。

 普通に考えたらただの浮気者になりそうな青江がどうしてこう魅力的なのかがこのシリーズ一番の謎だと思うんですが、何故か不思議に思うことなく納得できてしまうのはその人柄故か、状況故か。由亀の献身も、佐知との運命的な関わりもなるべくしてなった感が強いです。そこが謎であり魅力でもあるのかなと。

 今回は藩の陰の組織「嗅足組」解散を伝える密命を帯びて江戸出府する青江。今度はこの解散に関わる藩の秘密に巻き込まれます。藩存亡に関わる秘密を巡り、再び佐知と共闘することに。
 大筋のサスペンスや戦闘もさることながら、十九年前江戸に出てきてから長い付き合いだった友人達との別れや距離感の描写がとにかく切なかった。二十数年しか生きていない私に十六年の歳月を想像することも出来ないけれど、歳月の重みを感じました。
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