From Engine Room

日々のあれこれ(生存報告)
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空中ブランコ
空中ブランコ
奥田 英朗
4163228705

 『イン・ザ・プール』は評判ほどじゃないなと思っていたんですがこっちは面白かった! さすが受賞作!

 設定は継続で、やはり伊良部総合病院神経科に来る患者達の話。何が違うかと言えば、前作は奇妙な症状(大抵は自意識過剰)だった病気がより人間的なことかと。そして落とし方がすっきりしていて、余韻が残る。

 特に最後の『女流作家』がいいです。
 人間うまくいくことばかりじゃなくて、嫌なこともたくさんあって、それでも頑張らなくてはいけないときがある。そういう圧縮されていくような感覚と、そこから解放されるときの、ふっと肩の力が抜けるような爽快感が身に覚えのあるものでした。お薦め。
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イン・ザ・プール
イン・ザ・プール
奥田 英朗
416320900X

 伊良部という変わり者の精神科医にまつわる連作。様々な症状と悩みを抱えた患者が彼の元を訪れ、そして患者に同調する一風変わった方法で伊良部はそれを快方に向ける。その過程はシュールで奇妙で可笑しく悲しい。

 最初はその設定に面食らって戸惑うけれど、読み進めると肩の力が抜けていくような本でした。「もうちょっと力を抜いていいよ」という現代人へのメッセージなのかと思った。

 ただそれ以上でもそれ以下でもなく、さらっと読める分さほど印象に残らないのが残念。評判で聞くほど面白いと思えなかった。文庫化されましたが多分買わない。
美人画報ワンダー
美人画報ワンダー
安野 モヨコ
4062121085

 完結編。最初に載ってる安野さんの写真がもの凄く可愛くてびっくりした。最初の頃から随分変わってるというのは説得力があるなー。

 内容は時系列じゃなくテーマ別になっていて、流れが多少前後するのがちょっとばかり読みにくい。後は前の2作と同じでファッションやらメイクやらインテリアやら1つのテーマに沿って語っていくエッセイ集。
 個人的には前2作より語り口が穏やかで非攻撃的な印象を受けました。肩の力が抜けてる感じで読みやすい。多分性格的には何一つ被らないタイプの方なんだけど、でもだからこそ得るものがあるような気がします。ものごとに対する姿勢はすごく好き。

 昔はちっとも好きじゃなくて漫画も毛嫌いしていたんですが、コレ読んだら読みたくなってきた。
風牙天明
風牙天明―フェンネル大陸偽王伝
高里 椎奈
4061824651

 他国を侵略、王を粛清するシスタス。この大国に対抗する小国連合を作るべく大陸を駆けるフェン、ロカ、リノであったが、彼らにもシスタスは圧倒的な力で牙を剥く! だが希望失われしその時、大国に弓引く者出現。その者、自らをこう名乗る――「偽王」。

 ようやく副題の意味が判明しました。話としてはようやく導入部分が終わって、これから一番盛り上がるところだと思うんですが、ここまで長かったな……!
 次が楽しみです。

 正直シリーズ前半の内容がうろ覚えなのと文章の感じが微妙に肌に合わないので読みにくかった。話の構造がはっきりしたので最初から読み返したいです。今読み返したらちゃんと読めそう。
 このシリーズは全体的に細かいエピソードが多すぎて、無駄に膨れあがっている所為でストーリーが冗長な感があります。あと会話のテンポがファンタジーっぽくないのが多少気になる。地味なエピソードの繰り返しで話が進むという構造自体は好きなのでちょっと勿体ない感じ。
ドラッグストア・ガール
ドラッグストア・ガール
B00016ZLIY

ラクロス部に所属する薬科大学3年生の大林恵子(田中麗奈)は、ある日恋人の浮気現場に遭遇したショックで電車に飛び乗り、気がつくと郊外のうらさびしい商店街にたどりついていた。成り行きで彼女はその町のドラッグストアでアルバイトを始め、また彼女に魅せられた町のオジサンたちがラクロスを始めるのだが…。


 11月くらいにWOWWOWで放送したのを撮っておいたんですがようやく観られました。ちょっと疲れたので楽しいのを観ようと思ったら、予想以上に面白かった!

 田中麗奈がとにかく可愛いです。元気でゴーイングマイウェイででも憎めなくて魅力的。大林さんに惚れこむオジサン達もいい味出してます。
 しかしストーリーはあってないようなもので、エピソードが浮いてるとこも多々。特に沼田さんは唐突すぎて置いてきぼり(後半でも生きてない) ただ勢いはあるので一気に観られますし、所々の小ネタは面白い。もうちょっと大筋を練って欲しかったと思います。クドカンにしてはいまいち凡庸な印象。

 データをとっておくほどではないし、映画館で観たらがっかりしたと思いますが、2時間ドラマだと思えば及第点。
海猫
海猫
B00067HDYI

 WOWWOWでやってて、伊東美咲、仲村トオル、佐藤浩市の自分的豪華キャストを見逃すわけには……! と観てみたんです、が、

 予想を外れて超恐かった……!

 兄嫁を兄と弟が取り合う官能小説的な話かと思いきや、日本の古き悪しき習慣の犠牲になった可哀想な女の人の話だった。嫁はその家のもので人格なんてない、という感覚に陥る兄と姑がもう、ものそい恐い。あまりの怖さに薫(兄嫁)はこの家の人達に殺されたに違いないと思っていたくらいです。久々に画面直視できない映画を観た。

 話の筋を横におけば、伊東美咲の演技の下手さを除けば佐藤浩市が素敵に駄目男だったり、仲村トオルが不器用なヘタレだったり、それぞれ脱いでるし(笑) 画面的には結構おいしいところもあるんですが。
 唯一、弟との地味な交流の末の、
「俺は嫌だよ。兄さんがあんたを抱いた」
 の台詞はぐっときたかな、というくらい。兄弟それぞれの薫に対する接し方、抱き方の差はうまく表現されててよかった。無駄に多いラブシーンは伊東美咲に制限がついたのか、ろくに脱いでないし官能的でもないし若干醒めます残念。

 あと何故兄と結婚したかが中途半端にしか書かれていなくて謎なので最初から弟と出会っていれば幸せになれたんじゃないのか、浮気してそのまま逃げてしまえば死ぬことはなかったんじゃないか、と思ってしまう。ストーリーが映画の中だけではきちんと表現されていないように感じました。

 あと最大のツッコミは「目が青い」と言われ続ける薫(伊東美咲)、目、青くないよね? ロシアと日本のハーフの設定なのにちっともそう見えないからリアリティがないのかも……。
幻夜
幻夜
東野 圭吾
4087746682

 『白夜行』の後継(続編?)と聞いて読んでみました。

 確かに構造は似たような感じで、何が違うかと言えば男の方に視点を絞っているところ。あと雪穂と亮司がお互いを支え合っていたのと違い、美冬と雅也の関係は一方的に雅也が利用され搾取されていただけだということ。

 ミステリとしては、巧妙に緻密に作られたストーリーも美冬の計算し尽くされたしたたかさも、うまく書かれていて、その正体を最後まで隠すことで引っ張り続けるうまさはありました。
 しかし美冬が悪女過ぎて空恐ろしい。後味は悪いし、白夜行のように面白いとは思わなかったです。物語としてはいまいち。読み終えて気分が悪くなるだけで、何が言いたいのかわからないままでした。三部作らしいから次でちゃんと打ち出すのかもしれませんが、一冊で発行される以上もうちょっと何かあってもいいんじゃないかと。

 雪穂=美冬という話をちらほら聞くんですがこれは本当なのかな……。個人的にはドラマと原作を合わせた雪穂のイメージと美冬は随分印象が違って、何をどうしたら雪穂がこうなってしまうのかが不連続で違和感がありました。
砂漠
砂漠
伊坂 幸太郎
4408534846

 「大学の一年間なんてあっという間だ」
 入学、一人暮らし、新しい友人、麻雀、合コン…学生生活を楽しむ五人の大学生が、社会という“砂漠”に囲まれた“オアシス”で超能力に遭遇し、不穏な犯罪者に翻弄され、まばたきする間に過ぎゆく日々を送っていく。パワーみなぎる、誰も知らない青春小説。


 面白かったです。
 語り口が淡々としていて、最初はいかにも作り物めいた感じが鼻についたんだけど、1つの事件を通して大学生達が成長する過程が妙にリアル。
 あと伊坂幸太郎お得意の絶対的なキャラクタとか、カリスマとか、そういった存在がなく、敵対する悪も巨悪ではなく、日常の中の非日常を地味に丁寧に書いているのが好感触でした。
 あと全体を通してスパイスになっている西嶋の皮肉っぽい言動は、伊坂さんの考えていることであり、言葉なのではないかと思いました。これまでの登場人物の中で一番勢いがある。

 内容も珍しくポジティブでよかったです。これまでは変化球的な話が多かったんですが、これはど真ん中ストレート(ただし低速)な感じ。
「その気になれば砂漠に雪を降らせることだって出来る」
「彼方で人々が、難破しているときに、手をこまねいてはいられない! 今俺が助けに行くぞ! の精神ですよ」

 といった西嶋の言動が、青臭いんだけど心地よい。一風変わった面白い青春群像劇でした。
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