君の名残を 浅倉 卓弥 (2004/06/15) 宝島社 |
行けども悲しや行きやらぬ 君の名残をいかにせん
人に薦められて読みました。『四日間の奇蹟』と同じ人の作品(因みに未読)
現代の高校生3人が何の因果か平安時代に飛ばされてしまう時空ファンタジー。一人は巴御前、一人は武蔵坊弁慶、一人は北条義時として、それぞれの結末を知り、それに抵抗しながらも歴史をなぞっていく。
個人的には『時』の意志というのが作者の自己満足にしかみえず、いまいちしっくりこないまま最後まで読んでしまったので盛り上がりも感動も半減してしまったんですが、設定と展開はうまかったです。気合いは非常に入ってるのは伝わってくるけれど、それが先行していて、登場人物の心情とか状況が後付けな印象は多少。
導入が面白かっただけに後半に行くに連れて展開が読めてしまい、文章自体はうまいので惰性で読めてしまう感じ。もうちょっと焦点を絞って見せたいところを中心に据えてしまえば面白かったんじゃないかと思うのでちょっと勿体ない。蛇足が多いので全体の印象がぼやけた感じがします。残念。
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